ダラスから隣町フォートワースへまでは車で1時間。ここでもミュージアムエリアに名作建築が集結していました。
建築を諦めかけていた一人の建築家を奮起させたエピソードを知り、ルイス・カーンのキンベルミュージアムはぜひ体験したい建築の一つでした。このミュージアムの素朴な美しさ、単一に繰り返される光と素材の構成美は既に論じられていますが、33mというロングスパンを超スレンダーなPC梁で構成したことが大きな勝因のひとつではないかと感じました。今まで体験したことのないミニマムな美しさがありました。
その後奮起した建築家は素形をテーマに力強くも清々しい作品で躍進。常に建築の根源に迫ろうとしたカーンはキンベルで素形の素を造り上げたとも言えます。
キンベルの屋根の生コン打設状況、固練りの生コンをコテで押さえながら仕上げてます。キャンデラのHPシェルルーフもこの様にして打設したのでしょうね!
ルイスカーンの正面に対峙するレンゾ・ピアノのキンベルミュージアム。建物の高さ、ボリューム、構造スパン、自然採光、建築構成においてカーンの建築と歩調を合わせながらも全く異なる素材で空間を構成しています。33mの梁は集成材、おそらくハイブリッド集成材かなぁ~と(文献なく不明)!
ナッシャー彫刻センター同様に自然光が気持ちよく降り注ぎます!
朝の散歩で発見した医療関係の複合施設。流水のデッキにまたがるガラスルーバー建築。キレのあるデザインが素敵です。
流水は建物の屋根からドラマチックな滝となってエンディング。その先に広がる朝ののどかな風景が気持ちよかったです。
フィリップ・ジョンソンのウォーターガーデンも一見の価値有り。水をテーマによく練られた空間で、ここACTIVE WATERの水流には迫力があります。
リカルドレゴレッタのミュージアムの裏側。面毎に塗り分けられた色彩が直射日光と陰の濃淡で引き立てられています。
安藤さんのフォートワース現代美術館
建築の永遠性はルイスカーンのみならず、建築に携わる者に共通する大きな命題の一つですが、フォートワースを後にして、原点回帰、古代遺跡、素形、神殿、そんな言葉が頭の中をぐるぐる廻るのでした。
・・・つづく。
次回はいよいよメキシコです!