3月15日から17日JIA主催のリフレッシュセミナーに参加しました。
熱海の海を見下ろす高台に建つセミナーハウスは横内敏人がコンペで宮脇壇を抑えて当選、建設された力強い建築です。
建築とメディア、ジャーナリズムをテーマに新建築社元編集長の大森晃彦氏とソーシャルアーキテクトの藤村龍至さんを招いてディスカッションとワークショップの缶詰でした。全国から集まったJIA会員との交流できたことも大きな成果となりました。
建築雑誌の時代考証から昨今のエピソードを交えた大森晃彦さんの「建築メディアのゆくえ」と題されたセミナーは丁寧で興味深いものでした。「編集しなければ建築は伝わらない」のはメディアの本分としても、建築の印象や評価も編集次第であれば危うく思います。
情報過多な現代は建築以上に建築の切り口や見せ方が問われる時代であり、建築そのものよりも新たな価値を創出するような情報のパッケージデザインが求められているのかも知れないと思いました。
今回セミナーに集った参加者の多くは建築ジャーナルに掲載される事よりも、個人メディアの活用に関心が移っている事にも時代を感じました。ローカルなコミュニティーを持つ地方の建築家はHPやブログなどを使い、顔の見える関係で情報発信しているのに対して、ローカルコミュニティーの存在しない東京では建築メディアを向いたままなのだとか、東京の建築は危ういのかも知れません。
藤村龍至さんの「建築とジャーナリズム」では鶴ヶ丘プロジェクトに興味を持ちました。
丁寧に根気よく続けることが成功に繋がるのだと教えられた気がしました。
ソーシャルアーキテクトという立ち位置にも時代を感じます。
課題と提案は内側に向けて編集すること、デザイン性よりもプログラム選択を優先すること、多くの人が関わる事で選択肢の増える仕組み造りなど、視点を変えると新たな展開の可能性が開く事に気づかされます。
今回のセミナーに参加された方達との出会いと、共にディスカッションできたことに感謝しています。
ありがとうございました。