大社町は路地散歩が楽しい。
狭い路地には土壁民家が連なる。
肩幅くらいの小路に入ると庭先のような小路がくねくねと続き、見晴らしのいい丘や松林にも連れていかれる。
表通りからは見えない暮らしや風景との出会いが路地散策の楽しみの一つである。
そんな路地沿いの古民家の改修計画の相談を受け、調査に出向いた。
大正期の古民家は中庭に面した座敷以外は全て改修なり建て替えなりがなされていたが、唯一残されていた座敷の改修計画をお題に頂いた。
古民家の構造材を転用した新築か、腐朽材を取り換えての改修か?
二つの選択肢でそれぞれに案と予算を比較。
古民家調査には赤外線水準器が不可欠。
レベルや傾斜を正確に調査でき、助かります。
吹き抜けとハイサイドライトで開放感のあるDKに。
既存の柱、梁を引き立てる漆喰壁とのコントラスト。
コストだけを優先すると建築の耐久性を損なう事にもなりかねず、長期的な判断が求められる。
2階の窓を開けると、トスカーナのような荒漠たる風景を発見!
おそらくは、江戸期の町屋割で生まれた会所地。
まさか大社町でトスカーナ(?)に出会うとは!
これだから大社の路地散策はやめられません!