
鰐淵寺釈迦堂の保存修理工事に着手しました。
雨漏りが構造材の腐朽にまで及び始めた釈迦堂を、次いで開山堂の保存修理工事に掛かります。
鰐淵寺は紅葉寺として親しまれていますが、推古2年(594年)智春上人の開基とされ、538年の仏教公伝からほどなく開山した古刹としての歴史を持ちます。南北朝時代鰐淵寺の分裂と統合、平安期からの杵築大社との関わり(神仏習合)、尼子と毛利戦国大名との関わり、太閤検知による寺領の縮小など鰐淵寺が辿った歴史はそのまま日本の歴史と重なり、興味が尽きません。
現存する釈迦堂は1664(又は1672)年に建立された建物で、鰐淵寺境内で一番古い建物です。これまで部分修理が行われていましたが全解体修理は今回が初めてです。解体調査によって釈迦堂変遷の全容を掴みたいと思います。修理履歴の判明している他建物との関係なども踏まえながら痕跡調査と実測を進め、平成30年春には釈迦堂の素屋根が外せる予定です。
乞うご期待!!