クライアントの良材へのこだわりと繁栄建設さんの丁寧な手刻みから見事な上棟となりました。
棟持ち柱と棟木から成る合掌造りの住まいですが、これだけ良質な木材を揃えた上棟は初めてです。
吹き抜けに立ち上がる棟持ち柱と周辺のスキップする回遊性を空間の骨格としています。
当初桧240角で考えていた棟持ち柱。しかし適当な材料が見つからず9mの棟持ち柱は東大寺のような巨木となり、10mを超す棟木も一本モノで揃えられ、期待以上の迫力!
柱のスケールが大きくなる事で小さな吹き抜けの空間バランスが壊れる事を危惧していましたが、ドスンとしたケヤキ柱が吹き抜けの重りとなり予想外の安定感が生まれました。

屋根野地板には杉赤身揃え。杉板落とし込み壁も赤身でそろえられ、屋内から見上げると気が高揚するほどです。 
桧垂木。継手は目違い仕口にボルト接合。

9mを超す破風板も一枚ものの赤身。

落とし込み面戸板取り合いの桁天と垂木の溝掘り。
ひと手間かける事がその後の安心となる。
落とし込み板による間仕切り壁は立て込みながらの上棟となった。

上棟式後の直会では材料の手配や長尺材の運搬など、これまでの苦労話を大工さんや製材所さんから伺った。だれもが木が好きで実直で正直な仕事をする人達だった。一途な仕事をする職人達との話は尽きず、伝統工法をきちんと伝承する若い大工さん達が頑張っていることが嬉しかった。

伝統工法に精通した大工さん達に振り放しの大きな架構に挑戦して頂き、建築を創る楽しさを共感する事が出来たような気がした。
空間の魅力、
良質な木材、
丁寧な仕事、
竣工が楽しみです!
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