松江市東本町のオープンハウスには大勢の方々にお出かけ頂き有り難うございました。
自分の不在した午後から設計事務所関係者が大勢いらしたようですが、お会いできずに残念でした。以下当日の見学会参加者への補足説明です!
周囲を駐車場に囲まれた27坪の敷地。
採光と通風、プライバシーの確保。
周辺はネオン街なれども大橋川を望む立地。
古都松江の歴史的景観の創出。
そんなアレコレを考えながら伝統的な素材を用いた町屋コートハウスに収斂した住宅です。
準防火地域内で和を表現するためにファサード開口部には防火戸を設け、木製建具の開口部を試みています。ここにはガラス窓、格子戸、防火戸、障子を納め、格子戸越しに大橋川の柳並木を見る手筈です。
緑大好きな奥さんからのリクエストもあり、27坪の中に緑地を4つ確保しています。
一番大きな緑地を光井戸とし、漆喰リフレクターによって家中を明るくしています。
和室のとこ廻りは以前の住まいで使われていた部材を再生しています。東本町は昭和6年の大火で全焼した経緯があり、当時再建された部材を引き継ぎ、町の歴史を引き継ぎたいとの考えからです。杉磨き丸太と桐の落とし掛け、イナゴの杉板天井、書院障子、どれも素朴な造作ですが、大切にしたい歴史の断片でもあります。
この部屋ではとこ廻りだけを真壁で表現し、他は大壁で仕上げ建具枠なども消しています。
階段正面の金色ニッチは午後の陽射しをリビングに届けるレフ版であり、バラガンへのオマージュでもあります。
庭木が加わり住まいの景色が一変しました。
黒を背景に映えるモミジの新緑。
風にそよぐアオダモの梢やヤマボウシの新芽。
どの窓の先にも大橋川の柳や庭の緑があり、アイストップ・グリーンの心地よさを再認識した次第です。
