これから10年で沢山の古民家が空き家となります。ほとんどの古民家は解体され消えていく運命にあり、僅かに条件の良い古民家だけが住み継がれます。
槐の庭も最初見た時「終わってる!」と思いました。
蟻害、地下水位の高さ、瓦の乱れ野地垂木の腐朽、周囲の鬱蒼とした竹藪などの状況からでしたが、工事着手前に再生への足取りは既に軽やかでした。
蟻害のひどかった門の取り壊し。
鬱蒼としていた竹藪や屋敷林の伐採、母屋の周りは明るく風通し良くなりました。
ぬかるんでいたのは地下水の吹き出しがある事が分かり、そこに池を作ることで解決。
ここまでの解決はすべて施主の工事で進みました。まだまだこれからもセルフビルトは続きますが、汗のない喜びはあり得ませんから、古民家も施主も幸せ者です!!
新年初回の現場打合せにピースサインを送るお茶目な
Fさん。
新設壁の色決めでは、既設土壁を生かすように新設壁は彩度を抑え、沈黙の黒を選びました。
座敷を落として土間カフェへ。
柱は十字継で根継。
応力集中により、45ミリ下がっていた根継柱をジャッキアップ。
「もう少し上がるかなぁ・・・」
「そろそろ限界か・・・」
江戸、明治の土壁であれば無作為に窓を開けてもお咎めがありませんが、昭和の土壁には筋違が!
外壁の通りを出すためのふかしに新たな筋違を設けて補強することに。
最古の新座敷。
この離れ座敷を残して昭和40年に母屋が新築され、65年後に槐の庭として座敷と母屋2棟をリノベーションすることに。外壁の鉄板の下から板戸が出現。
築年代は明治かなぁと思いながらも手掛かりなく、いまだ年代不明の新座敷。